▼大野靖之が J-POP を救う
[2005年10月06日(木) ]

 

 やっぱり地球……はもちろん音楽業界を救うのは大野靖之さんだっ

 今日(5日)ある雑誌の取材で大野さんの小学校での授業を見させてもらった。千葉県の中ほどにある八街市の実住(みすみ)小学校。6年生全員=200人が待つ体育館に入って、いきなり「ヤックンです、授業をしに来ました」。

 「仲間讃歌」を歌った後さっそく授業。「ききたいことがあるんだけど、『フツー』ってどういう意味?」。口々に子どもたちが答える。「一般的」「アタリマエ」「どちらにも偏ってなくて穏やかな様子」(←これすごいね)……。 そしてここからが大野さんの真骨頂。「やっくんは『フツー』って存在しないと思う」と言い切って、子どもたちに尋ねながらいくつかの例を出し、とてもうまく説明して行く。自分の身長が、背が高い仲間に入れば低く、この6年生の中に入れば高くなる……。

 子どもたちの中に次第に『フツー』という基準がとてもあいまいであることがしみこんでいく。「『フツー』はそれぞれ違う、決めつけちゃいけない」「さっき『フツー』は『マイペース』って言ってた子がいたけれど、あれっていいと思う、他の人と合わせなくていいんだ」。まとめも鋭い。 さらに「自分は『フツー』じゃないって思う人で、発表できる人」を募る。男の子ばかりだったが、言いにくい自分の身体のことまで言う子が出てくるのは、大野さんが個性を受け入れよう、という雰囲気を作ったからに他ならない。

 ゲップが得意という子が出てきて対抗戦になったりして盛り上がった後、正確には盛り上がりすぎた後も、「ゲップも個性、こうやって『フツー』じゃないこと発表できるのはすごいことなんだって」と励まして、この6年生たちのために作ってきた新曲「友だち」を歌って終了。

 この歌詞がまたよくて、夢を語ることは恥ずかしいことじゃなく、君だけが苦しいわけでもなく、だから君の心になって考えてみるんだ……。最後のフレーズもすごいけどそこまで自然な流れで持っていく構成もすごい。

 もちろんアンコールもあって、今テレビ朝日系でも流れている「愛してる」。もうこの時までには子どもたちの大半はテンションが上がっちゃって、ピアノを取り囲んで大騒ぎ。

 シンプルでかつ深いからわかりやすい。こんなメッセージを発し続けて欲しい。きっと大野さんの話を聞いた子どもたちなら、バラエティ番組の「罰ゲーム」が限度を超えて人を傷つけていることがわかるようになるだろう。

 こんなアーティストが、日本のミュージックシーンの真ん中にいて欲しい。そうすれば、メディアもそして社会も変わっていくことだろう。

 もう私はきっぱりと宣言する。さらにさらにさらにさらにさらに大野靖之さんを応援することを。

 

    06年8月28日大野靖之》